住宅と店舗の新築・リフォーム・リノベーション,浜松市の設計工務店アラン

2016年8月23日

山から街へ、木の仕事スペシャルインタビュー

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家づくりの材料はどこでうまれてどう届く?

住まい手と産地の間の仕事

こんにちは、静岡県浜松市の設計工務店アランです。

突然ですがみなさんこんな疑問を感じたことはありませんか?「食べものの材料の産地はこだわるのに、どうして家の材料にはこだわらないんだろう」。作り手の顔写真つきの野菜がスーパーに並ぶこの時代。家に使われる木だって、どこで誰が育ててきたものか知りたい人も多いはず。

工務店は、山と住まい手の間の仕事。どこの山で育った木がどんな人の手を介して届くかを伝えることも、私たちの役目です。今回は、三方原の家上棟式に、家づくりに欠かせない木を「育てている人」と「加工している人」にお越しいただきました。

【木を育てている人(写真左)】

杉山 嘉英さん/文沢蒼林舎(川根本町の山主)

【木を加工している人(写真右)】

大石 千壽(ゆきひさ)さん/丸天星工業株式会社 JPS事業部 技術部長

木の話

 【聞き手】

中根 康晴/建築士

中根 えみ子/インテリアコーディネーター

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豊富な森林資源を次の世代へ

「山を守る」という仕事

杉山さんは大井川上流で山を管理している山主さんです。杉山さん、実際このように、ご自身が育てた木が使われている現場をご覧になることってありますか?またご自身の山で育った木が実際に使われている現場をご覧になってみていかがですか?

杉山

そうですね。普段は山から太い丸太を切り出して、出荷するのを見届けたらそれで終わりですが、今日は建前の様子を見ることができて感慨深いです。こうして住まい手の方とお会いし、建物を目の当たりにすると『もっと頑張って、いい木を世に送り出したい』と、ますますやる気になりますね。

この家に使われているJパネルの木は、すべて杉山さんの山で伐採されたものですよ。

杉山

そうですね。この木は私が伐採したんですが、もともと私の祖父が苗を植えて、父が手塩にかけて育てたものです。3世代にわたって育ててきた木が、一軒の家の壁や屋根になったと思うと感無量ですね。

それだけ時間と手間をかけて育てられた木を、私たちは使わせていただいているんですね。

杉山

その時間と手間は特別なことではなく当たり前のことなんです。林業は一世代で完結する仕事ではありませんからね。次の世代へ地域の資源を残すという使命感を常に感じながら、林業を続けています。

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【写真】家の模型と実際の建物を前に嬉しそうな住まい手さんと、真剣に議論する杉山さんと大石さん。

産地から工場へ

加工現場の職人の思い

杉山さんの山で育った木を「Jパネル」という建築材料に加工しているのが大石さんです。大石さんは「Jパネル」の開発者でもあるのですが、開発の経緯について伺ってもいいですか?

大石

はい。私はもともと機械設計の会社を経営していたのですが、ずっとふるさとの杉の森林をなんとかしたいと思っていたんです。ちょうど阪神・淡路大震災の後ということもあり「地震に負けない強度を保ち、無垢の杉の木の良さを生かした建材」を作れないかと考えました。試行錯誤のうえ完成したのが、無垢の杉の板3枚を、繊維方向がクロスするように貼り合わせた「Jパネル」だったんです。

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【写真】「Jパネル」を柱に落とし込むJパネル構法。Jパネルのおかげで「地震に強い木の家」が実現したといっても過言ではありません。

無垢の木を乾燥させると反りや割れが出るものなのですが「Jパネル」は見事にまっすぐ乾燥されていますよね。

大石

ありがとうございます。杉は乾燥させることで、強度が増すのはもちろん、杉の本来持っている調湿効果が増し、蓄熱や断熱効果もアップします。もちろん、有害物質も含まないのでお子さんにも安全・安心、自信を持っておすすめできる建材ができました。

お子様のいる家庭は特に安全性にこだわりますので、とても大切なことですね。今日上棟した家の住まい手さんも、自分の家がどんな材料で造られているのか、一つひとつ理解して納得してから話を進めていきたい方。私たちも皆さんの仕事場を何度も拝見させていただいたので、自信を持っておすすめしています。

大石

アランさんは何度も工場に足を運んでくれていますからね。今日はアランさんの現場に来れて、こうして住まい手さんにお会いできて嬉しいです。

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【写真】山から丸天星に届いた杉の木。皆太さも長さも揃い美しい。

山のことからお客様の暮らしまで、

アランが考えるまっとうな家づくり

家は建てた時がゴールではなく、スタートです。60年山で生き続けてきた木を伐採し、その木を使って家を建て、住まい手さんに60年住み継いでいただく。そういう山の再生サイクルに合わせた家づくりができれば、住まい手にも環境にも優しい家づくりになるのではないかとアランは考えます。そのためには、私たち地域工務店がキーマンになって、その木が山からどのようにして街にやってきて、家が完成するまでに至ったのか、その経緯を次の世代にきちんと伝えていくことが大切だと思います。それを知ることで、家への愛着が増し、もっと大切に暮らしていこうと感じていただだけると思うのです。山のことから、インテリアのことまで丁寧に伝える家づくりは、やがて住まい手さんの暮らしを豊かにすると信じています。

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【写真】現場の大工さんたちと。

-対談現場となった『三方原の家』住まい手さんからもコメントをいただきました-

アランさんを家づくりのパートナーに選んだのは、住宅雑誌に載っていた施工例のデザインセンスがよくて、構造もしっかりしていると感じたからです。木を大切に育てた方や、熱い想いを持ち家づくりに携わる方とお話しできるチャンスにも恵まれて、一生の思い出に残る上棟式になりました。子どもがもう少し大きくなったら、杉山さんの山に連れて行って、「きみが住んでいるおうちは、この山で育った木でつくられたんだよ」と伝えようと思います。(リンク:https://alain.co.jp/2016/08/07/三方原の家/

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【写真】三方原の家

– SPECIAL THANKS-

この対談が実現したのは、川根本町の職員鈴木浩之さんのおかげです。鈴木さんが山の案内役として、アランを山主の杉山さんと引き合わせてくださいました。鈴木さん、ありがとうございました!

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